『「小市民」シリーズ』第二期は小佐内ゆきの魔女っぷりが際立つ描写がされていて、ぞくぞくする。でも、ある動画を見ていて、「私は小佐内さんは彼女にできないなあ」みたいな軽い感想を言ってる人がいて、いやおまえ全然わかってないだろ、と突っ込まずにはいられなかった。
そもそも、なぜ第一期であれほど日常のたわいもない出来事をさもミステリーであるかのように取り上げてきたかというと、最後の事件とのギャップを演出するためだ。誘拐という、およそ今までの世界観からは決して出てこないような事件が起きて、そして最終話の種明かしに至って、今までのたわいもない日常的ミステリーというのがガワにすぎなかったことが明らかになった……はずだが、それを理解するには一定程度の読解力がいる、ということなのか。
で、二期になってそれまでの日常ミステリーという装いはもはや完全に破棄されて、放火事件という洒落にはならないれっきとした事件が問題となっている。小鳩くんが新しい彼女仲丸さんに対して今まで通りのささやかな推理を披露するシーンがあるが、完全な的外れに終わる。これは、それまでの小市民的推理世界がすでに崩壊していることを説話論的に示している。
そもそも、小佐内さんと小鳩くんがなぜ恋人ではなかったのか。アニメではなぜ小佐内さんの瞳が赤く不気味に描かれているのか。そういうの、全部伏線になっている。そのちょっとした違和感の原因が第一話最終話で明かされたわけだ。そこんとこ読み解かずに、第二期でも普通に第一期前半のほのぼのとした世界観の続き的な心情で見られても困る。
が、じつはOPとEDはそういう誤読というか、誤見を養護するかのような曲調になっている。
ヨルシカ「火星人」
やなぎなぎに「SugaRiddle」
今季の二曲ともポップな曲調にしているのは、明らかに制作陣による要望だと思う。第一期でアーティストにシナリオ渡して、こんな話です自由に作ってくださいとした挙げ句、2つともとても似た曲調になってしまったので、今回はガラッと違うのにしたのだろう。話が深刻なだけに、OPは特にポップなのにしたかったのだと思う。