2019年9月28日土曜日

『鬼滅の刃 炭治郎立志編』

2019年から放送開始され、2025年の今でも劇場版が公開され続けている『鬼滅の刃』は言うまでもないが、エポックメイキングな作品だ。テレビアニメで劇場版クオリティの作品を作るというのは過去に『攻殻機動隊S.A.C.』や『プラネテス』、『まどか☆マギカ』など、例がなかったわけではない。しかし、これほどの規模で、もともと素晴らしい原作アニメがあり、それを一切省略せずにむしろ補完して描ききったというのはたぶん例がない。

これほどのクオリティを持つアニメはそうそう作られることはないので、これ一本で日本のアニメのクオリティを挙げたとは言えないが、アニメ作品がこれほどの社会的現象を引き起こし、劇場版は日本映画史上歴代一位の興行収入を叩き出すことができた、という事実は、アニメに対する投資額を引き上げることになったはずだ。

作品は、原作からしてビジュアル的にとにかく美しく、アニメでは特にアクションが原作を補完して見事に描写されている。Ufotableの過去のアニメを見てもここまでではないので、おそらくこのアニメに合わせて入れる力を最大限にしてきている。Ufotableは自社で原画から動画まですべてのスタッフをほぼ正社員として雇っているというとんでもないアニメ会社で、その利点を最大限に活かした制作体制を敷いてこれを作ったらしい。作品自体もそうだが、そういう生産体制でこれほどの傑作を作り上げたということに、このアニメの歴史的な意義があるはずだ。

そのへんも含めた事情は以下をどうぞ。


OP「紅蓮華」

ED「from the edge」

 中川奈美「竈門炭治郎のうた」

これは第19話「ヒノカミ」の挿入歌。炭治郎が日の呼吸に目覚める話で、このシーズンの最大の盛り上がりの場面となっている。この回を見て、原作者の吾峠呼世晴が「作画、演出、音楽、全てが凄すぎてボロ泣きし、第19話を20回ほど繰り返し視聴しました。一生懸命漫画を描いていて本当に良かった」というコメントを寄せたらしい。これ、アニメが原作を圧倒的に超えたという告白と受け取ってよい。まあ、実際、これだけのアニメを作ってもらえたら作者冥利に尽きるというものだ。これほどの幸運に恵まれることのできる作家は珍しい。

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